
最初の1回で大変な思いをすると、「もう出かけるのはやめよう」となってしまいます
逆に、1回目が成功すると「次はどこに行こうかな?」と世界が広がります
障がい者施設で14年、たくさんの「外出デビュー」に立ち会ってきた経験から、失敗しない行き先の選び方をまとめます
💬【現場で聞いた遠出のお話】
ご家族からこんな話を聞いたことがあります
ずっと伊勢神宮に行きたかったけれど、高速を使って車で行くしかないと思って勇気がいる場所だなと思ってましたでもある時、伊良湖岬からフェリーに乗ってみたら、船内にも車椅子用の駐車場とトイレとエレベーターがあって快適でした
運転する家族の体の負担も少なくて、「こんなに楽に行けるなら、もっと早く試せばよかった」と話してくれました
ただ、せっかくの機会に障害者手帳を忘れてしまって割引が受けられなかったのが悔やまれたそうです
1回目の成功が自信をつけまた外出のハードルを下げ、次の外出への扉を開きます
失敗しない1か所目の5条件
- 平坦で舗装されている(砂利・坂・石畳は2回目以降に)
- 多目的トイレが複数ある(1か所だと使用中のとき詰む)
- 駐車場から入口が近い(移動で体力を使い切らない)
- 身障者用駐車場が入口に近い(場所と台数を事前に確認する)
- 家から片道1時間以内(疲れたらすぐ帰れる安心感)
- 屋内、または屋根がある(天気に左右されない)
💬【このうち、現場で重視していたものとその理由】
現場で特に重視していたのは②多目的トイレの数と③駐車場です
トイレが1か所しかない施設は、使用中だったときに心の余裕がなくなってしまいます
その後の観光も、気にしながら、観光しないといけなくなってしまいます
また、身障者用駐車場が少ない施設は、停められなかった場合には、普通の駐車場では車椅子の出し入れや乗り降りが大変になってしまいます
この2つは行く前に必ず確認していました
ステップアップの順番
いきなり1日がかりの遠出はNG
おすすめの段階は:
「行きたい気持ちが先に立って、行き当たりばったりになりがち」という声をよく聞きます
気持ちはとてもよく分かります。でも、特に屋外は起伏があって介助者の負担が予想以上に大きくなります
いきなり1日がかりの遠出ではなく、少しずつ段階を踏むのがおすすめです
- 近所の大きめの公園(30分〜1時間。トイレの練習を兼ねる)
- 近所の大きめの公園(30分〜1時間。外のトイレでの介助を練習する場)
- 屋内施設(ショッピングモール・科学館など。2〜3時間)
- 半日のお出かけ(動物園・花のテーマパークなど)
- 1日コース・外食つき
💬【各ステップで現場がチェックしていたこと】
- ステップ1で「外のトイレでの介助」に慣れておくと、その後が格段に楽になります。意外と道路が凸凹してることに気づきます。
- ステップ2で外のトイレも場所によって違うことに気づきます。公園によってトイレの清潔さが違うので、その中で、お気に入りのお散歩コースが見つかるかもしれません。
- ステップ3で屋内施設では机の高さや通路幅に慣れる練習にもなります。
- ステップ4でおやつを食べたりして、少し長めの時間のお出掛けを楽しみます。移動中の、休憩場所も考慮して移動します。
行く前に「1か所目向き」かどうかを見分ける3つのこと
① 公式サイトに「バリアフリー」「多目的トイレ」の記載があるか?
記載がある施設は、バリアフリーを意識して整備されていることが多いです。
② 電話で「身障者用駐車場の場所と台数」を聞いたとき、すぐ答えてくれるか?
「少々お待ちください…」が長い施設は、普段から車椅子の来場者が少ない可能性があります。スムーズに答えてくれる施設は安心です。
③ 駐車場から入口まで屋外を歩く距離が短いか?
電話で「駐車場から入口まで遠いですか?」と聞いてみてください。「すぐそこです」「30mほどです」なら安心。「少し歩きます」はちょっと介助者が大変かもしれません。当日の天候も気にかけて出かけましよう。
この3つがクリアできれば、1か所目の候補として十分です。
実際に行った施設の実測レポはこちら:
- 岩水寺(浜松市) → 奥之院・さくらの里は介助者がいれば行けます
- 浜名湖体験学習施設ウォット → スロープ・エレベーター完備、夏の屋内おでかけに最適
当日の心構え3つ
- 欲張らない(全部見ようとしない。「半分見て,みんな元気なら延長」の設計)
- トイレは「行きたくなる前」に(時間を決めて誘う)
- うまくいかなくても「来られただけで成功」
💬【現場で行事のとき決めていたルールや、家族に伝えたいひとこと】
伝えたいのは、完璧な計画よりも「小さく始めて成功体験を積む」こと
出かける人の、趣味嗜好で場所を選びながら、ストレスなく楽しめる工程を考えていくことを楽しめるといいです
1回目が「楽しかった」で終われば、次はどこいく?に繋がります
まとめ
【「最初の1回」のハードルを下げるには 完璧な計画より、小さく始めて成功体験を積むこと】
最初の1回のハードルは、できるだけ下げてください
トイレ・駐車場・距離の3つを押さえた場所を選ぶだけで、安心感がぐっと違います
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プロフィール


介護福祉士。障がい者入所施設で14年、車椅子での外出同行を経験
「行けるかどうか分からないから諦める」をなくしたくて、東海地方の観光地を実測しています
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